自然
「北斗の水くみ」写真展2019
令和元年11月3日(土曜日)、「北斗の水くみ写真展」審査委員会が開催され、作品4点が選出されましたので、ご紹介します。
<最終審査結果>
優秀賞:2点 入選:2点
優秀賞:2点 入選:2点
優秀賞
北斗七星に釣り人、狙うは大物?
投稿者:Kubel さん
撮影場所 | 宗像市北斗の水汲み海浜公園 |
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撮影日時 | 2019年6月25日 午前3時20分 |
コンセプト | カップルの釣り人が狙うは大物、宇宙(そら)の北斗七星も海の水を汲む時に狙うは大物?どちらが先に大物を釣り上げられるかな。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
コンパクトデジカメ(RX 100)による撮影、換算で35mm。ソフトフィルターを使い、北斗七星をわかりやすく。釣り人もしっかりと写すことに苦労しました。 |
優秀賞
北斗の水汲み
投稿者:サジタリアス さん
撮影場所 | 北斗の水汲み海浜公園 |
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撮影日時 | 2019.06.25 AM3:20 |
コンセプト | 標準レンズ程度のフルサイズ換算焦点距離40㎜でのお手本通りの水汲みです |
撮影時の苦労や ポイントなど |
水平線間際まで見通しの良い、透明度の高い空でした。下弦の月の光で、手前の海岸が浮かび上がって、程よいアクセントになったようです。 |
入選
北九州夜景とともに
投稿者:K.Fukusako さん
撮影場所 | 皿倉山頂 |
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撮影日時 | 2019/10/13 19時30分頃 |
コンセプト | 山頂から北九州夜景と北斗の水くみの写真を狙ってて、やっと撮れたという感じでした |
撮影時の苦労や ポイントなど |
皿倉山ケーブルカーで山頂に上がれるタイミングは基本週末のみ&時間的な制約があるので、数年かかりました。 |
北斗の水くみ写真展にご応募いただきまして、誠にありがとうございます。
投稿いただきました作品は下記の通りです。
投稿いただきました作品は下記の通りです。
(投稿された順に並べています。)
かわたれ時に水を汲む
投稿者:サジタリアス さん
撮影場所 | 北斗の水汲み海浜公園 |
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撮影日時 | 2019.06.13 AM4:00 |
コンセプト | かわたれ時(早朝の薄明が始まった後)の水汲みを収めてみたくて |
撮影時の苦労や ポイントなど |
例年、6月10日前後は既に梅雨入り。ですが、今年は梅雨入りが遅く、日の出1時間前の薄明が始まった後の水汲みを狙えました。星の明かりが埋もれて見難くなる時刻なので、星座の並びがはっきり判る10分程度の露光時間で北斗七星を浮かび上がらせました。 |
下弦の月に照らされて
投稿者:サジタリアス さん
撮影場所 | 北斗の水汲み海浜公園 |
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撮影日時 | 2019.06.25 AM2:00 |
コンセプト | 水汲みになるまでに時間があった為、北極星を中心に北天の星空を撮りました。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
今年の梅雨入り(6月26日)前日、この日も未明から明け方の天気が良好だったので、明るくなるまで撮影。下弦の月が夜半過ぎに昇ってきていましたが、大気の透明度が高く、月光にも負けずに天の川がしっかり収まりました。 |
昇ってきた北斗七星と秋の天の川
投稿者:サジタリアス さん
撮影場所 | 釣川河口(北斗の水汲み海浜公園対岸) |
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撮影日時 | 2019.10.10 AM4:33 |
コンセプト | 水汲みを過ぎ、再び昇ってきた北斗七星と西に沈みゆく秋の天の川。季節の進みの先取りです。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
10月に入り、昇ってくる北斗七星を明け方薄明前に見られるようになりました。月光の無い時で、透明度の高い夜空に巡り合うのは滅多に無いので、薄明が始まる前まで撮影した時の一枚です。 |
北の地で北斗を見上げる
投稿者:K.Fukusako さん
撮影場所 | 青森県三沢市淋代海岸 |
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撮影日時 | 2019/05/26 00時頃 |
コンセプト | 九州で見るよりも北斗七星が高い位置にあります |
撮影時の苦労や ポイントなど |
出張先での撮影だったので、場所探しに苦労しました。この日はスターリンク衛星の姿も偶然撮る事が出来ました。まだ寒かった。 |
壱岐水道の水くみ
投稿者:右田 稔 さん
撮影場所 | 糸島市波呂展望台 |
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撮影日時 | 2019.09.18. 20時26分 |
コンセプト | 標高600mから見える、壱岐水道の水平線に落ちる北斗七星 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
最近は水平線まで見通しのきく日がなかなか無いのと、手前陸地の人口灯が明るいので、北斗七星を如何に目立たせるか苦労しました |
北斗の白波
投稿者:廣畑直樹 さん
撮影場所 | 釣川河口 |
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撮影日時 | 2019年8月5日、1:25:18 |
コンセプト | ひしゃくが水を汲んだ際に起きたさざ波をイメージして撮りました |
撮影時の苦労や ポイントなど |
打ち寄せる波にタイミングを合わせるのにコツが要りました |
雪道の先に昇る北斗七星
投稿者:加藤英行 さん
撮影場所 | 福井県勝山市奥越高原線 |
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撮影日時 | 2019年1月30日0時11分 |
コンセプト | 福井の冬と星空を感じられる写真をコンセプトに、雪道で北斗七星を撮影しました。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
積雪のある道を注意しながら、撮影場所まで向かいました。雪道をザクザクと音をたてながら進み、寒さに震える手で、シャッターを切りました。雪道と寒さに苦労しました。 |
足羽川頭首工と北斗七星
投稿者:加藤英行 さん
撮影場所 | 福井県福井市安波賀中島町 |
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撮影日時 | 2019年2月5日21時58分 |
コンセプト | 福井市ならではの景色と星空を感じられる写真をコンセプトに、福井市を流れる一級河川、足羽川に造られた足羽川頭首工と北斗七星を撮影しました。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
霧と曇に北斗七星が隠され、撮影するタイミングに悩まされました。この写真は、5度目で撮ることができました。 |
北斗の水汲みの軌跡
投稿者:Kubel さん
撮影場所 | 宗像市北斗の水汲み海浜公園 |
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撮影日時 | 2019年6月25日 午前2時45分 |
コンセプト | ミラーレス一眼カメラによる長時間露光にて水汲みの星の軌跡。40分のバルブ撮影(一枚撮り)により、北斗七星を分かりやすく写せました。 |
撮影時の苦労や ポイントなど |
デジタルカメラによる長時間露光をしたので、適正露出に気を使いました。 |
総評/審査を終えて
今年の応募作品が締め切り直前まで少なくて、編集者を慌てさせたり、また、逆に、締め切り近くに沢山いただき整理に追われたようです。
「近年の写真展では、撮影機材の工学的技術的進化がめざましく、ほとんど、撮影者に無関係に科学的に優秀な作品が自動的に得られる時代になった。
したがって、写真展とは、作者が何を見たか?いつ見たか?などを形作る作者自身の対象に対する基礎知識、作者自身の自然観とそのモチベーションを競う時代になった」と、ある大規模写真展を展開する理事弁です。
10年余を経験したわれわれに、なお、宗像の自然ドラマ撮影への弛まない努力が良く見えます。選ばれた優秀作品には作者の心が作った情景に何度も取り組んだ姿勢、星像の刻々変化、"息"をする撮影場所の大気に対峙した作者の姿が作品に見えます。
「昔は星が明るく見えた」それです!環境管理の原則!
それほど大きな事業所をもたない宗像ですが、近年、海の汚れ、海岸をクリーンするボランティア活動など、環境に注目が集まっています。
美しい宗像の海岸にゴミが風に揺れるなら、汚れてると誰もが気づくでしょう。
では、宗像の上空は汚れていますか?これは空を見上げても見えないので、わかりません?ではどうして監視しましょうか?
夜、星座を探す習慣をもつ必要が!宗像では水くみを観察するのです。
実際、ほぼ上空10キロくらいの空には主に交通量の増加により、窒素酸化物による塵が浮遊し、今や、次第にふえつつあります。朝早く、朝霧に覆われた宗像市内には時としてヒートアイランドによる塵雲の存在が見つかります。こうなると地平線に沈む北斗七星のコップの底のふたつの星は見つけにくく、写真で云えば写りにくくなります。
こうして、「写真展」の記録は宗像の大気の環境を記録し続けいることを忘れないで下さい。
はるか低く水平線に傾く北斗の空は、観察者を包む低い空、遠くに行くほどだんだん高い空を見ています。これは地球が球形をもつことによります。はるか無限に近い北斗の星をさがすとは、視線のむこう、頭上の空を見ているのです。北斗の星の見え方とは宗像を覆う大気の環境を見ています。写真展の歴史とはその記録です。
「北斗の水汲み」写真展審査委員長
平井 正則
平井 正則