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自然

大島の鳥類

  • コグンカンドリ
    撮影日:2009年10月27日
  • アマサギ
    撮影日:2006年05月10日
  • ハチクマ
    撮影日:2006年09月21日
  • アカハラダカ
    撮影日:2006年09月21日
  • サシバ
    撮影日:2006年04月08日
  • チゴハヤブサ
    撮影日:不明
  • コチドリ
    撮影日:2007年04月04日
  • カラスバト
    撮影日:2006年04月08日
  • ヨタカ
    撮影日:2006年05月09日
  • ブッポウソウ
    撮影日:2005年05月18日
  • ハクセキレイ
    撮影日:2006年11月17日
  • マミジロタヒバリ
    撮影日:2006年05月10日
  • ムネアカタヒバリ
    撮影日:2006年04月12日
  • ジョウビタキ
    撮影日:2006年11月17日
  • ミヤマホオジロ
    撮影日:2006年11月17日
  • マヒワ
    撮影日:2006年11月17日
  • ミヤマガラス
    撮影日:2006年04月08日
  • ヤツガシラ
    撮影日:2007年04月04日

大島の蝶類

伝統行事

出典:博多昆虫同好会「宗像市 大島・地島の蝶」、2019年1月

  • ジャコウアゲハ
    アゲハチョウ科 ジャコウアゲハ(オス)
    撮影日:2018年4月19日 撮影場所:大島・大島コミセン~大島港 撮影者:加藤陽一
    本種は2012年5月に中津宮裏手の畑脇の土手に植栽されているヒラドツツジで吸蜜していたところを確認されたのが最初です。その後、大島小中学校裏から岩瀬に通じる道路の途中のナツミカン畑の土手周辺や、沖津宮遥拝所境内でも確認されました。
    毎年、ヒラドツツジの開花期(春季)とクサギの開花初期(夏季)に成虫が見られるので、大島で世代交代していると思われます。
  • アオスジアゲハ
    アゲハチョウ科
    撮影日:2017年7月28日 撮影場所:地島・泊 撮影者:西田迪雄
    島内に普通に見られ、湿地で吸水する光景がしばしば観察されますが、これらは全てオスと言われています。
    季節ごとに咲く種々の花にも集まります。
  • ミカドアゲハ
    アゲハチョウ科 ミカドアゲハ(オス)
    撮影日:2015年5月13日 撮影場所:大島・岩瀬 撮影者:西田迪雄
    2015年5月13日正午ごろ、岩瀬の漁火橋下の水溜りに吸水に舞い降りた1♂を撮影・採集したのが、大島における唯一の記録です。
  • アゲハ
    アゲハチョウ科 春型:後翅後端の青色斑紋列がはっきり現れる
    撮影日:2018年4月19日 撮影場所:大島・砲台跡近くの遊歩道 撮影者:加藤陽一
    アゲハチョウとして最も馴染み深い蝶ですが、正式名称はアゲハです。夏型のオスでは、後翅前縁中央部に明瞭な黒斑が現れます。
    春から秋まで、通年にわたり全島で普通に見られます。島内で多く植栽されているナツミカンなどの柑橘類が寄主植物となっていると思われますが、西部の牧場跡などの草原内にはイヌザンショウが多く見られ、森林部周辺あるいは道路沿いにはカラスザンショウの若木なども多く、これらから卵や幼虫が容易に発見されます。
  • キアゲハ
    アゲハチョウ科 キアゲハ(メス)
    撮影日:2018年9月23日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    本種は、大島と地島の調査を2014年に開始して以来見つらなかったので、島嶼での棲息はないと思われていましたが、2017年7月に地島で、また2018年9月に大島で、産卵するメスが確認され(大島:ハマゼリ)、後にこれらの植物から幼虫も確認されました。
  • ナガサキアゲハ
    アゲハチョウ科 ナガサキアゲハ(オス)
    撮影日:2018年4月19日 撮影場所:大島・風の峠~御嶽山 撮影者:加藤陽一
    全島で普通に見られます。島内各所で植栽されているナツミカンなどが主要な寄主植物になっているようで、幼虫や卵も栽培柑橘類から多く発見されます。本種のメスは食樹の根本付近の古い葉に産卵する性質があり、アゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハなど(新芽に産卵する)と異なるので、卵の発見は容易です。
    成虫は種々の花を訪れますが、夏季にはクサギ、秋季にはヒガンバナの花に集まるのをよく見かけます。蝶道を往復するオスは良く目撃しますが、メスはあまり見かけられません。
  • モンキアゲハ
    アゲハチョウ科 モンキアゲハ(オス)
    撮影日:2017年7月28日 撮影場所:地島・泊 撮影者:西田迪雄
    アゲハチョウ科のなかでもっとも個体数の多い種で、春~秋にかけて島内各所で普通に見られます。卵や幼虫もカラスザンショウから多く見出されます。季節に応じて種々の花に集まりますが、ハマニンドウ、クサギ、ノアザミ、ツツジなどで吸蜜しているのを見かけることが多く、夏季には湿地で吸水するオスにも良く出会います。
  • クロアゲハ
    アゲハチョウ科
    撮影日:2018年4月19日 撮影場所:大島 撮影者:加藤陽一
    島内各所で普通に見られますが、森林部で特に多く見られます。卵や幼虫もカラスザンショウの若木から多く見出されます。春から初夏にはアザミやツツジに集まり、夏季にはクサギに集まる個体が多く観察されます。
  • カラスアゲハ
    アゲハチョウ科 春型(オス)
    撮影日:2017年4月19日 撮影場所:大島・風の峠~御嶽山山頂 撮影者:西田迪雄
    森林部で普通に見られます。飛翔は速いので捕獲はやや難しいですが、春季にはツツジやアザミで吸蜜しているときや、夏季には湿地で吸水するオスの捕獲は容易です。
    メスはカラスザンショウの高所の葉に産卵するので、卵や幼虫を見つけるのは容易ではありません。
  • ミヤマカラスアゲハ
    アゲハチョウ科 ミヤマカラスアゲハ(オス)
    撮影日:2017年4月19日 撮影場所:大島・御嶽山山頂 撮影者:西田迪雄
    森林部に多いですが、カラスアゲハよりやや少ないです。飛翔が早く、捕獲は難しいですが、花で吸蜜中や湿地で吸水しているオスの採集は容易です。御嶽山登山道脇と山頂に植えられているヒラドツツジや、岩瀬への道路脇に生えているアザミなどでよく見かけます。飛翔中のミヤマカラスアゲハとカラスアゲハは紛らわしく、両種を識別するのは難しいです。
    春型は後翅裏面の赤斑の内側に白帯があることで判定できるますが、夏型はその白帯が不明確になったり、時には白帯を欠く個体もいるので、前翅裏面の白紋部が狭いのが本種で、先端方向に拡がるのがカラスアゲハであることなどから区別できます。産卵はカラスザンショウの高い位置の葉に行うので、卵や幼虫の発見は難しいです。
  • ツマキチョウ
    シロチョウ科 ツマキチョウ(オス)
    撮影日:2018年4月16日 撮影場所:大島・風の峠~御嶽山 撮影者:西田迪雄
    島内各所に普通に見られます。幼虫や卵はアブラナから多く見出されます。幼虫はセイヨウアブラナからも見出されますが、アブラナより嗜好性が低いようです。ハマダイコンやイヌガラシからは未発見です。
  • モンシロチョウ
    シロチョウ科 モンシロチョウ(オス)
    撮影日:2011年5月4日 撮影場所:地島・泊 撮影者:西田迪雄
    本種はキャベツ、ダイコン、カツオナなどが栽培されている耕作地周辺で良く見かけられますが、島内には随所にハマダイコンが自生しており、その周辺でも多く見られます。道路脇や海岸に生えているハマダイコンからは、本種の卵や幼虫が春~秋に見出されます。また、セイヨウアブラナなどにも本種は好んで産卵します。イヌガラシもモンシロチョウの食草に挙げられていますが、幼虫や卵は未だ発見されていません。
    県道541号線の岩瀬から東へ向かった加代分岐点近くの道路脇にアフリカフウチョウソウが生えており、2016年10月14日にモンシロチョウ1♀がアフリカフウチョウソウに産卵しているのが目撃されました。
    その後、その卵から孵化した幼虫がアフリカフウチョウソウを食べ生育したかどうか未確認ですが、フウチョウソウ科に属するギョボクにもモンシロチョウがよく産卵しますが、幼虫は成育しないことが知られているので、あるいはアフリカフウチョウソウも産卵だけで幼虫の食草にはならない植物なのかもしれず、今後も観察が必要です。
  • スジグロシロチョウ
    シロチョウ科 スジグロシロチョウ(オス)
    撮影日:2016年6月8日 撮影場所:大島・ホトロセ峠 撮影者:西田迪雄
    島内各所で普通に見られますが、モンシロチョウより個体数は少ないです。林縁部や明るい林の中を好むようで、岩瀬から砲台跡へ登っていく遊歩道(旧軍道)、ホトロセ峠~中津和瀬の道路脇、池尻谷などでよく見かけられます。ハマダイコンやセイヨウカラシナなどから幼虫が発見されます。
  • キタキチョウ
    シロチョウ科 キタキチョウ(オス)
    撮影日:2018年7月13日 撮影場所:大島・中津宮~ホトロセ峠 撮影者:西田迪雄
    1年を通して島内各所に普通に見られます。ネムノキから卵、幼虫、蛹が多く見つかりますが、砂防目的で道路脇の土手に植栽されているイタチハギやメドハギなどに産卵するところも多く目撃されます。
  • モンキチョウ
    シロチョウ科 モンキチョウ(乳白色型メス)
    撮影日:2018年4月19日 撮影場所:大島・灯台付近 撮影者:加藤陽一
    島内各所で普通に見られますが、初夏には砲台跡や風車展望所周辺の草原部において非常に多いです。ミヤコグサ、コマツナギ、シロツメクサなどが食草になっていると思われます。
  • ウラギンシジミ
    シジミチョウ科 ウラギンシジミ(オス)
    撮影日:2018年9月23日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    全島において普通に見られます。成虫は木の梢付近を飛翔することが多く、捕獲は容易ではありませんが、秋にクズの花に産卵に訪れるときは容易に捕獲できます。
    オスは地上の湿地で吸水することが多く、採集は容易です。秋季には、本種の卵や幼虫がクズの花に見出され、クズの花を切り取ってポリ袋などに入れておくと、数日後に幼虫が上に出てくるので、容易に採集することができます。
  • ムラサキツバメ
    シジミチョウ科 左:ムラサキツバメ(オス)、右:ムラサキツバメ(メス)
    撮影日:2017年8月31日 地島・倉瀬遊歩道にて採集 採集者:田中隆義
    本種は過去に採集記録がありますが、なかなか確認できず、2015年7月24日に加代海岸手前のマテバシイの林で最初の成虫が捕獲されました。しかし、その後の調査で、島内各所にあるマテバシイの葉からは本種の卵が見つかり、また新芽からは幼虫も発見されたので、島内各所に多く棲息していることが確認できました。
    午後遅くから夕刻にかけて活発に飛翔しますが、日中は高い樹の葉上に静止していることが多く、そうした行動のために発見が遅れたのであろうと思われます。本種の幼虫に好まれるマテバシイの新芽が出る7~8月頃に最も個体数が多くなります。
  • ベニシジミ
    シジミチョウ科 黒化した地島産夏型
    撮影日:2018年6月15日 撮影場所:地島 撮影者:田中隆義
    島内の平地部や草原部で普通に見られます。春の出現も比較的早く、4月に入るとルリシジミと同時期に見られます。
  • シルビアシジミ
    シジミチョウ科 シルビアシジミ(オス)
    撮影日:2017年6月22日 撮影場所:大島・池尻谷上 撮影者:西田迪雄
    大島内の数箇所で、過去に本種が採集されたという個人情報はありましたが、明確な記録が見つからなかったので、島内各所を探しました。幼虫の食草には、先ずミヤコグサが挙げられ、所によってはシロツメクサも寄主植物となっているということですが、その他にもヤハズソウ、コマツナギ、コメツブウマゴヤシ、コウマゴヤシ、ムラサキウマゴヤシ、シナガワハギなど多数のマメ科植物が食草として利用されているので、日当たりの良い草原地帯で、上記植物が見られるところを重点的に調べました。
    飛翔時の様子はツバメシジミやヤマトシジミに類似しているので、1頭ずつ捕獲し、裏面の斑点の配置を確認しなければならず、調査は容易ではありませんでしたが、砲台跡下の草原部において、ようやく2017年5月上旬に1♀を見つけました。その後、同地域で第2化と思われるオスも発見でき、大島に本種が棲息していることが確認されましたが、かなり極限された地域しか調査していないので、さらに精査すれば新たな棲息地域が見つかる可能性があります。
    ちなみに、個人情報により得た過去の採集地も併せ調査しましたが、発見できませんでした。寄主植物の分布域の変動が本種の分布と強く関連しているのかもしれません。
    ※2014年 福岡県絶滅危惧Ⅱ類
  • ヤマトシジミ
    シジミチョウ科 ヤマトシジミ(オス)
    撮影日:2018年4月16日 撮影場所:大島・風の峠~御嶽山山頂 撮影者:西田迪雄
    島内のいずれでも普通に見られます。寄主植物のカタバミは島内各所に普通に見られ、カタバミの分布と重複して本種も見られます。
  • ツバメシジミ
    シジミチョウ科 ツバメシジミ(メス)
    撮影日:2018年9月23日 撮影場所:大島・灯台分岐点~風の峠 撮影者:西田迪雄
    島内の平地部や草原部で普通に見られますが、ミヤコグサやヤハズソウの分布とほぼ一致しているので、これらが幼虫の主な食草として利用されていると思われます。春の出現は早く、モンシロチョウやルリシジミと同時期に見られます。
  • クロツバメシジミ
    シジミチョウ科
    撮影日:2018年6月17日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    本種が大島にいることは、博多昆虫同好会会誌に発表されていたので分かっていました。食草のタイトゴメ(ベンケイソウ科は島内の海岸沿いに広く分布しており、成虫の個体数も多いです。宗像市周辺の海岸に沿った生育地では、後翅裏面の橙紋が黒化した型(黒斑化型)が見られ、大島でも、採集した本種幼虫を飼育したところ、黒斑化型や斑紋異常型の個体が羽化したことが報告されています。大島での調査では、いずれの地においても黒斑化型の発生率は地島に比べ低く、概ね5%ほどでありました。
    ※2014年 福岡県準絶滅危惧
  • ヤクシマルリシジミ
    シジミチョウ科 ヤクシマルリシジミ(オス)
    撮影日:2015年9月16日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    本種は北へと分布を広げているチョウに加えられており、福岡県でも各所で頻繁に見かけられるようになりました。大島でも各所で見られますが、特に草原部や森林部周辺で見ることが多いです。
    幼虫の寄主植物として利用されているのはノイバラや、民家の庭で栽培されているバラで、卵や幼虫は新芽や蕾から容易に発見されます。飛翔しているときはルリシジミとの識別が難しく、捕獲して後翅裏面の斑紋を確認しなければなりませんが、ときにオスはテリトリー行動をする点がルリシジミと異なります。
    また、秋季には、ルリシジミより遅くまで成虫の飛翔を見ることができるのも本種の特徴で、10月後半以降に見られるのは本種で、ルリシジミの多くは10月になると姿を消します。
  • サツマシジミ
    シジミチョウ科 サツマシジミ(オス)
    撮影日:2018年6月15日 地島・倉瀬展望台付近にて採集 採集者:田中隆義
    本種は、まだ初夏に捕獲された記録しかありませんが、捕獲個体はいずれも新鮮であったので、島内で生育したものと考えられます。アカメガシワの花に集まりますが、本種幼虫の主食とされているクロキ、サンゴジュ、ガマズミ、ミズキなどは島内には多く見られるので、さらに調査する必要があります。
  • ルリシジミ
    シジミチョウ科 ルリシジミ(オス)
    撮影日:2018年5月25日 撮影場所:大島・岩瀬 撮影者:加藤陽一
    島内の各所において、3月末~9月末まで普通に見られます。卵や幼虫はコマツナギの花穂などから容易に見つけることができます。夏から秋にかけては、クズの花の周辺においてメスがよく見られるので、この花穂が幼虫の餌として利用されていると思われます。
  • ウラナミシジミ
    シジミチョウ科 ウラナミシジミ(メス)
    撮影日:2018年10月13日 撮影場所:大島・大島港 撮影者:加藤陽一
    本種は北部九州で越冬できないとされ、大島で見られるのも主に夏から秋にかけてでありますが、2017年には夏季(8月)にハマナタマメに産卵するのが確認されました。ハマナタマメの他にもクズやタンキリマメなどのマメ科植物の花が本種の幼虫の寄主植物になっていると思われます。岩瀬、小使、宮崎などの平地部でよく見られます。
  • クロマダラソテツシジミ
    シジミチョウ科 クロマダラソテツシジミ(オス)
    撮影日:2017年9月24日 撮影場所:大島・岩瀬 撮影者:西田迪雄
    インドからフィリピンにかけての南アジアや東南アジア原産で、2008年熊本県で発見され、新聞に大きく報道されました。それ以来北上が認められ、現在では北部九州でも見られるようになりましたが、越冬できないので、毎年鹿児島県から世代交代をしながら北上し、9月ごろに北部九州に達すると考えられます。
    大島では秋(9~10月)に見られますが、毎年見られるとは限りません。南方から飛来してきたメスが食樹ソテツに産卵できた場合、あるいは南方から大島まで到達できた年に限り島内で繁殖しますが、翌春には姿を見せないので、越冬できないと思われます。ソテツは島内の平地部各所に植栽されています。
  • テングチョウ
    タテハチョウ科
    撮影日:2018年5月25日 撮影場所:大島・岩瀬 撮影者:加藤陽一
    島内各所に多いです。特に越冬個体は早春から現れるので目立ちます。島内に豊富に分布するエノキが寄主植物で、4~5月には幼虫が見つかります。本種は初夏に産卵され生育した幼虫から第2化成虫が夏季に出現することが知られていますが、大島でも初夏だけでなく8月に新鮮な個体を見ることがあるので、第2化成虫が発生するのかもしれません。
  • ヒメアカタテハ
    タテハチョウ科
    撮影日:2017年9月24日 撮影場所:大島・砲台跡~風の峠 撮影者:西田迪雄
    島内の平地や草原部に普通に見られ、個体数も多いです。卵や幼虫も食草ヨモギから見つかります。暖地では、本種は成虫越冬するようですが、大島では冬期や早春には成虫が見られず、陽だまりに生えるヨモギから幼虫が見つかります。冬期や早春に見られる幼虫は3~5齢で、それらを飼育すると、4月上旬から蛹化しはじめ、4月中旬以降に成虫が羽化するので、大島での越冬態は主に幼虫であろうと思われます。
  • アカタテハ
    タテハチョウ科 鮮やかな赤色型アカタテハ
    撮影日:2017年9月24日 撮影場所:大島・岩瀬 撮影者:西田迪雄
    島内に普通に見られます。カラムシ、ニオウヤブマオなどから卵、幼虫、蛹が発見されます。暖地や冬期に食草が枯れないところでは、幼虫越冬も報告されていますが、大島内のカラムシやニオウヤブマオは冬期に枯死し、また厳寒期(1~2月)には幼虫は見つかりませんでした。越冬成虫は3月頃に開花するナンバンキブシにいち早く吸蜜に訪れ、カラムシの新芽が開くのを待って3月下旬には産卵するのが確認されます。
  • キタテハ
    タテハチョウ科
    撮影日:2015年8月3日 撮影場所:大島・砲台跡 撮影者:西田迪雄
    数はあまり多くないですが、平地部の各所において見られます。御嶽山麓、沖ノ島遥拝所、旧牧場前などでよく見かけますが、その周辺には必ず食草カナムグラが見られるので、食草の分布とほぼ一致するように思われます。
  • ルリタテハ
    タテハチョウ科
    撮影日:2018年7月13日 撮影場所:大島・さざなみ館近くの交差点~加代分岐点 撮影者:西田迪雄
    島内の各所で見られますが、個体数はあまり多くありません。見かける頻度が少ないのは樹液を出すクヌギなどがあまり多くないことによると思われ、砲台跡から風車展望台のまわりの草原に自生するアキグミの花で吸蜜するのを良く見かけます。島内に食樹サルトリイバラは普通に見られるので、寄主植物の多寡が本種の個体数を決めているということは無いと思われます。
  • イシガケチョウ
    タテハチョウ科 イシガケチョウ(オス)
    撮影日:2016年10月14日 撮影場所:大島・風の峠~灯台分岐点 撮影者:西田迪雄
    島内各所で普通に見られます。メスの黄色型は越冬成虫が現れる春先と秋に多く、初夏から盛夏にかけては白色型が見られます。イヌビワの新芽から幼虫や卵が見つかることが多いですが、崖に張り付いて茂るオオイタビの新芽にもよく産卵します。
  • メスグロヒョウモン
    タテハチョウ科 メスグロヒョウモン(オス)
    撮影日:2017年6月22日 撮影場所:大島・ホトロセ峠~中津和瀬 撮影者:西田迪雄
    羽化時(6月中~下旬)には島内各所において多く見られ、アカメガシワ、サンゴジュ、オオバイボタなどの花に集まります。夏眠を経て秋に現れるオスの成虫は草原部や森林部の縁でテリトリーを張っていることが多く、また休耕田や側溝に繁茂しているサクラタデや道路脇に繁茂するコセンダングサなどで吸蜜する姿も良く見られます。島内各所において非常に多く見られるタチツボスミレやコスミレが幼虫の食草として利用されていると思われます。
    ※2014年 福岡県準絶滅危惧
  • ツマグロヒョウモン
    タテハチョウ科 ツマグロヒョウモン(メス)
    撮影日:2018年6月24日 撮影場所:大島・大島灯台付近 撮影者:加藤陽一
    島内各所において普通に見られますが、特に草原部に多いです。
  • コミスジ
    タテハチョウ科
    撮影日:2016年7月23日 撮影場所:大島・加代 撮影者:西田迪雄
    島内各所において普通に見られます。
  • ゴマダラチョウ
    タテハチョウ科
    撮影日:2017年7月28日 撮影場所:地島・ツバキロード 撮影者:西田迪雄
    島内各所で見られます。御嶽山山頂では、エノキの梢上を占有飛行する光景が見られます。初夏には早めに羽化したオスがメスの羽化を待ちわびてエノキの周囲を徘徊する光景をあちこちで見かけます。越冬幼虫はエノキ根本の落葉の裏から見つかることが多いですが、強風のために落葉が飛ばされてほとんど無くなってしまう御嶽山頂などでは、砂利石の下で越冬している幼虫が見つかります。
  • ヒメウラナミジャノメ
    タテハチョウ科 ヒメウラナミジャノメ(オス)
    撮影日:2018年9月23日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    各所で普通に見られ、個体数も非常に多いです。初夏にはウラナミジャノメより2~3週間早く発生しますが、秋には両種は混棲します。
  • ウラナミジャノメ
    タテハチョウ科
    撮影日:2018年6月17日 撮影場所:大島・灯台分岐点~風の峠 撮影者:西田迪雄
    草原部で多く見られます。特に砲台跡から風車展望所にかけての一帯に多く、そこから津和瀬海岸周辺にかけても、少ないながら見られます。また、灯台の周りを埋めるハマヒサカキの間を飛翔する姿もよく見かけられます。風車展望所周辺と植生は大きく違わないように思える小使や加代では発見されていないので、本種の棲息に必要な条件が不十分なのであろうと思われます。
    ※2014年 福岡県絶滅危惧Ⅱ類
  • ヒメジャノメ
    タテハチョウ科 ヒメジャノメ(オス)
    撮影日:2015年6月7日 撮影場所:大島・放牧場 撮影者:西田迪雄
    個体数はそれほど多くありませんが、島内各所で見られます。平地や森林部の縁でよく見かけられます。
  • ジャノメチョウ
    タテハチョウ科 ジャノメチョウ(オス)
    撮影日:2018年7月13日 撮影場所:大島・砲台跡 撮影者:西田迪雄
    草原部で発生が見られ、特に砲台跡から風車展望所にかけての草原部には個体数が多いです。岩瀬から小使にかけての草原部でも、少数ではありますが見られます。
    ※2014年 福岡県準絶滅危惧
  • クロコノマチョウ
    タテハチョウ科 クロコノマチョウ(オス)
    撮影日:2014年9月21日 大島・大島コミセン前のジュズダマより5齢幼虫捕獲 鈴木光
    加代海岸で1度だけ本種と思われる成虫が目撃されました(2013年8月18日)が、ウスイロコノマチョウとの区別が明確ではありませんでした。後に、大島小中学校から岩瀬へぬける道路脇の水路や湿地に生えているジュズダマから発見された幼虫や蛹を飼育し、本種であることが確認されました。未だ成虫の確認はされておりませんが、幼虫や蛹は毎年のように見つかるので、島内に定着し、平地~森林にかけて分布していると思われます。
  • アサギマダラ
    タテハチョウ科 アサギマダラ(オス)
    撮影日:2016年5月13日 撮影場所:大島・加代海岸 撮影者:西田迪雄
    本種は“渡り”をすることが知られていますが、春の北上、秋の南下の途中で大島に立ち寄るとき見ることができます。北上時には海岸に咲くスナビキソウの花に集まり、南下時には島内の主に林縁に分布するフジバカマやヒヨドリバナに集まります。これらの花で吸蜜するのはほとんどオスですが、同時期に咲くセイタカアワダチソウやコセンダングサなどにはオスもメスも集まります。島内には本種の食草として知られているコイケマがいますが、まだ卵や幼虫は見つかっていません。本土側では、常緑性のキジョランが本種の越冬幼虫の餌となっていますが、大島ではキジョランの生育が未だ確認されていないので、島内での世代交代や幼虫越冬は行われず、渡りの途中で立ち寄るだけのように思われます。
  • キマダラセセリ
    セセリチョウ科
    撮影日:2018年6月17日 撮影場所:大島・池尻谷 撮影者:西田迪雄
    本種はあまり多くなく、これまでに砲台跡、池尻谷、灯台付近の道路沿いで見られただけです。
  • クロセセリ
    セセリチョウ科
    撮影日:2014年6月13日 撮影場所:大島・岩瀬~風の峠 撮影者:鈴木光
    成虫に出会うことはあまりありませんが、主として森林部の縁(風の峠下、旧牧場入り口、中津宮境内)などで見られます。御嶽山を取り巻く森林内にはハナミョウガが多く、幼虫も見出されます。大島東部の森林地帯にはハナミョウガがなく、本種も見られません。
  • チャバネセセリ
    セセリチョウ科
    撮影日:2018年10月13日 撮影場所:大島・大島港~加代 撮影者:加藤陽一
    アザミの花で吸蜜するのをしばしば見ますが、個体数はあまり多くありません。幼虫は道路脇に生えているイネ科植物から見つかります。
  • イチモンジセセリ
    セセリチョウ科
    撮影日:2017年5月15日 撮影場所:大島・遥拝所 撮影者:西田迪雄
    平地部で普通に見られます。平地部では水稲が栽培されており、またススキ、チガヤなども豊富でありますが、本種幼虫の寄主植物はまだ確認されていません。
  • リュウキュウムラサキ(飛来蝶)
    タテハチョウ科 リュウキュウムラサキ(オス・フィリピン型)
    撮影日:2016年10月14日 撮影場所:大島・中津宮~加代分岐点 撮影者:西田迪雄
    本種は調査期間中に2頭捕獲され、1頭目撃されています。本種の幼虫はアサガオ、サツマイモなどのヒルガオ科植物の葉を食べますが、大島で幼虫や蛹は発見されておらず、また確認された3頭はいずれも翅にやや損傷が見られたので、島内で成育した個体ではないと思われます。捕獲された2頭はいずれもフィリピン型であり、迷蝶に属します。
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