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自然

地島の植物

車道や遊歩道、海岸など、歩きながらいろいろな植物を身近で見られます。これは小さい島ならではの特徴であり、魅力でもあります。

  • ハマユウ ヒガンバナ科
    島の東側の響灘に面した海岸にはハマオモトの群落がある。本土側では滅多に見られなくなった。
  • ハチジョウススキ イネ科
    ススキに似ているが、花序(穂)や稈(穂の付く茎)が太い。葉の幅も広くススキ程ざらつかない。倉瀬展望所や風当たりが強い海辺に多い。
  • ミヤコジマツヅラフジ ツヅラフジ科
    亜熱帯性の植物であり、島の広い範囲に分布している。花は目立たないが、秋にはサンゴ細工のような淡紅色の丸い果実が房状になる。
  • ハスノハカズラ ツヅラフジ科
    葉柄の付き方がハスの葉に似て楯状につくことから「蓮の葉」の名がある。葉は光沢のある鮮やかな緑で、道沿いのいたるところで繁っている。
  • センニンソウ キンポウゲ科
    真夏に爽やかな香りの純白の花が多数咲く。秋には果実に白い綿毛が付き、それを仙人の白いひげに見立てた。道沿いの草や木などに絡まって繁っている。
  • アキカラマツ キンポウゲ科
    夏、レモンイエローの小さな花を多数つける。花弁は無く、簪のように下がった雄しべが風によく揺れる。草地の植物で、倉瀬遊歩道沿いに主に見られる。
  • ノブドウ ブドウ科
    ブドウの名がつくが食するには向かない。夏に小さな花が咲き、秋には青や紫の美しい色合いの果実が目を引く。車道沿いなど明るいところに見られる。
  • ハマナタマメ マメ科
    花も葉も大きく、蔓も丈夫で広くはびこる常緑の植物。豆果は約10㎝、幅も厚みもあり「ナタマメ」の名がある。海岸岩場や車道沿いの崖地に多い。
  • ミヤコグサ マメ科
    公園、農耕地、荒地、海岸岩場など生育地の幅は広い。鮮やかな黄色の花は約1㎝と小さいが、写真のように群生し黄色のじゅうたんになる。
  • タチツボスミレ スミレ科
    「山路来て何やらゆかしすみれ草」(松尾芭蕉)
    春の花がまだ少ない時期にハート型の葉の間から薄紫色の花が咲き出す。いたるところで見られ、特に倉瀬遊歩道には多い。
  • オトギリソウ オトギリソウ科
    葉や花には薬効成分を含む腺体(黒点や黒線)がたくさん見える。花期は夏、一日花なので昼間がよく開いた状態でみられる。
  • ゲンノショウコ フウロソウ科
    夏から秋にかけて遊歩道沿いや農耕地などで紅紫色の花を次々と咲かせる。種子が弾けた後の形が神輿の屋根に似ていることから別名「ミコシグサ」。
  • カラスノゴマ アオイ科
    夏から秋にかけて約2cmの黄色い花が咲く。短毛が密生した約5㎝の莢には胡麻そっくりの種子が多数入っている。車道沿いで見られる。
  • ハマナデシコ ナデシコ科
    普通淡紅色の花が夏の海辺で見られる。葉は厚く光沢がある。島では泊地区の時折波しぶきがかかるような岩場に草丈低くして白花が咲く。
  • ハマボッス サクラソウ科
    主に海岸崖地の岩の割れ目に根を張り生育する。白い花が茎の先に集まって咲き、その様子を僧が使う払子に見立て「浜払子」。果実には小さい穴が開き、風に揺れて種子が少しずつ放出される。
  • エゾオオバコ オオバコ科
    オオバコに似ているが、葉や花茎に白毛が密生し全体が白っぽく見え、花の穂は短い。北方系植物で、九州は日本海側にのみ分布し、島では海辺の風が強く当たる場所に見られる。
  • スナビキソウ ムラサキ科
    5月頃、香りのよい白い花が咲く。砂や礫(石がゴロゴロしている)の中を硬く丈夫な地下茎が伸びて増える。島では野瀬の礫浜の海岸線に沿って帯状に群生している。
  • ホソバワダン キク科
    秋、島の海岸崖地を黄色に彩る暖地性植物。ロゼット状の根生葉の中心から複数の花茎を出し、約1.5㎝の頭花をたくさんつける。
  • ダルマギク キク科
    島の東側に本土の鐘の岬の方向に突き出ている場所に群生がある。10月~11月響灘から吹き付ける強い風の中密集して咲く。
  • シロヨメナ キク科
    山野に生育している秋の白い野菊。島では車道沿いで見ることができる。薄紫の野菊のヨメナ、ノコンギク、オオユウガギクも遊歩道などの道沿いで見られる
  • ボタンボウフウ セリ科
    一見柔らかそうな粉白色を帯びた葉は海辺の植物らしく硬くてやや厚い。白浜の「龍神様」の岩場ではたくさん見ることができる。花期は夏。
  • ヤブニッケイ クスノキ科
    島の常緑広葉樹林を構成するおもな樹種の一つ。遠見山など山地では高木となり花や実を見ることは難しいが、車道沿いや遊歩道では目の高さで観察できる。光沢のある明るい緑色の葉に3本の葉脈が目立つ。
  • ネコノチチ クロウメモドキ科
    名は果実の形が「猫の乳首」に似ることから。熟すにつれ黄から赤、黒へ変化する。葉の付き方が同じ側に2枚ずつ付いているように見える(写真)のが特徴の落葉樹。遊歩道沿いに見られる。果期は9月頃。
  • カジノキ クワ科
    8月~9月島の道沿いでは、直径3~4センチの大きな果実が目立つ。この景色は他では見られない。かつての子供たちはこの実が熟れたら取って食べていたそうである。ジューシーでほんのり甘い。
  • テリハノイバラ バラ科
    革質で濃緑色の葉は光沢があり、草地や林縁、海岸などの様々な日当たりの良い環境に、這った姿で見られる。花期は6~7月、花は大きく4~5cmもある。
  • ホルトノキ ホルトノキ科
    西日本以西に分布する常緑高木。季節に関係なく古くなった葉は赤くなり落葉するので一年中赤い葉が見られる。7月、倉瀬遊歩道では近くで花を観察することができる。
  • ハマヒサカキ サカキ科
    枝葉は密生し、光沢のある厚くて硬い葉は裏側に反る。倉瀬の海岸崖地など島の風が強く当たる海岸では、風になびいて低く這った風衝低木林となっている。
  • クロキ ハイノキ科
    幹の色が黒いことからの名。早春のまだ花が少ない時期に、多数の雄しべが目立つ花が咲く。島の常緑樹林帯の主な構成種の一つ。
  • ヤブツバキ ツバキ科
    道路沿いの鑑賞用に植栽されたものも良いが、かつて椿油用に山の斜面などに植えられたものは幹回りが大きく樹形も堂々としている。
  • クサギ シソ科
    漢字で「臭木」。葉には独特の匂いがある。夏に咲く花は芳香があり、アゲハチョウの仲間が吸蜜している姿をよく見かける。秋には紅い萼と藍色の熟した果実の対比が美しく、鳥の目を引く。車道や遊歩道沿いに多い落葉樹。
  • トベラ トベラ科
    海岸に生育する常緑低木。春、枝先に香りのよい白い花が集まって咲き、秋には粘性のある赤い種子が目立つ。枝葉をちぎると強い臭気が出る。

倉瀬の海岸崖地の植生

倉瀬の展望所から西側の海に面した幾つかの崖地は、崖地ごとに植物の様子が異なり、また植物の種類も多いなど、多様な自然が見られる。

  • ハマヒサカキ風衝低木林
    • 展望所のすぐ足元の崖地は、傾斜に沿って刈り込んだようなハマヒサカキに覆われている。マサキやトベラも混生し、隙間に草本のハマベノギクも生育。
  • ハマヒサカキ風衝低木林
    表土が薄く岩の露出が多い崖地となっており、ヒゲスゲ(カヤツリグサ科)が群生している。株間にはハマナデシコ、ツルナ、タチツボスミレ、クサスギカズラの仲間、テリハノイバラ、シャリンバイなどが見られ、またダルマギクの小群落も見られる。(ヒゲスゲ:葉は厚くて硬く光沢があり、大株を作る。)
  • 海岸低木林
    • 上記2か所の間の谷間は、土壌が発達し風の影響も受けにくい位置にあり、ハマビワ、ハマヒサカキ、トベラ、マサキ、マルバグミが低木林をつくっている。
  • 草本群落地
    ノシラン、ヒゲスゲ、ツルナ、ハマベノギク、ツワブキ、ミヤコジマツヅラフジなど10種以上の草本が隙間なく群生し、夏はハマベノギクの薄紫色、秋にはツワブキの黄色の花に彩られる。
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