2017年7月30日に開催致しました蝶の観察飼育教室において、蝶の幼虫をお配りするとともに、蝶の観察ノートの制作と提出をお願い致しました。提出頂いた観察ノートについて、観察飼育教室講師の西田さんを中心とした専門グループにその内容を審査して頂いたところ、以下の通りの結果となりました。ご参加ありがとうございます。なお、受賞された皆さんには、賞状と副賞(蝶の写真や標本など)をお渡し致しました。
自然
夏の課外授業蝶観察ノート 審査結果発表
最優秀賞武下 紗也さん(キアゲハの飼育)
- 講評
- えさの食べ方やふんの仕方、さなぎになる様子や蝶になった時の様子など、絵とともに記されていて、熱心に観察したことが伝わってきます。
パセリがなくなったときに、ミツバを探しに行ったり、さなぎになるのを助けるために、さなぎポケットを作ったりといった工夫にも感心しました。
無事に蝶になれたさなぎと途中で死んでしまったさなぎがいたことも、自然の厳しさを知るうえで良い経験になったと思います。
できれば来年もまた別の蝶の飼育に取り組んでください。
優秀賞武下 茉由さん(ツマグロヒョウモンの飼育)
- 講評
- 幼虫の成長の様子を、大きさを測ったり、色の変化を観察したり、また羽化するまでの状態をスケッチと写真で記録して、うまくまとめられています。また日に日に変化していく幼虫をかわいいと言って育てた様子が伝わり嬉しく思いました。
足りなくなった食草(すみれ?)をどうやって見つけたのかを付け加えたり、幼虫の動きなども観察して、その行動記録を加えると、もっと良くなると思います。
優秀賞河野 優奈さん・河野隼翔さん(キアゲハの飼育)
- 講評
- 最終的には羽化しなかったのが残念でした。寄生バチや病気のため、蝶になったところは観察できませんでしたが、成長する様子をよく観察し、詳しく記録できているのはとてもすばらしいと思いました。自然の厳しさも理解できたと思います。さなぎになったのに羽化できなかったのは、十分にエサをたべることができなかったためかもしれませんので、この次に飼育するときには、飼育の前に、必要な量のエサを準備するようにしたほうがよいでしょう。キアゲハの幼虫は、パセリの代わりに、ニンジンを薄く切って与えても食べてくれますよ。試してみてください。
※数に限りがございます。受け渡し方法については別途相談させてください。
※野生のスミレ採取については以下のQ&A回答も参考になさってください。
活動予定(2017年度)
※中止になりました
「キアゲハの幼虫がサナギになったまま変化がありません。
どうもサナギに小さな穴が開いているようです。
育て方が悪かったのでしょうか。」
「穴が開いているということは、幼虫に寄生バエや寄生バチがついていた可能性があります。
幼虫側の問題ですので、育て方に問題があったわけではないと思いますよ。
残念ですが、成虫になれなくても、貴重な飼育観察の記録ですので、そのサナギの姿を、写真やイラストで残してみてくださいね。」
「キアゲハの幼虫には何をあげたら良いでしょうか(パセリ以外も教えて下さい)。」
「大好物なのはパセリですが、パセリと同じセリ科のニンジンも食べてくれます。薄くスライスしてあげてみてもよいでしょう。こちらで育てていたキアゲハ(写真参照)は、ニンジンを食べてサナギになりました。」
「ツマグロヒョウモンの幼虫を育てているのですが、(食草である)スミレを採取できる場所があれば、教えていただけますか?」
「この時期(8月)、園芸店でスミレ科の植物を見つけることは難しく、野生のものを見つけなければなりません。ただ、8月は花を咲かせていないため、葉のかたちで見つける必要があります。
スミレと確信が持てなくても、ツマグロヒョウモンの幼虫は、スミレの仲間(パンジーやビオラを含む)以外まったく食べませんので、とりあえず入れてみて食べてくれるか見てみるのも一手です。
宗像市内では、正助ふるさと村の大駐車場(売店「にんじん」がある)の上のほうの遊歩道沿いのほか、新立山の登山口付近や休耕田の土手などに見られました。写真は地図赤印の部分で8月8日に見つけたスミレの仲間です。
ほかの雑草にまぎれてしまうことが多い時期ですが、田の畔や農道脇で見つかります。」