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1980年(昭和55年)宗像町文化財調査報告書第4集/『石丸遺跡』

昭和52年7月、福岡教育大学の歴史研究部考古学班から宗像市石丸、七社神社(ななやしろじんじゃ)近くの宅地造成で遺跡が壊されつつあるとの通報が福岡県教育委員会に入りました。それを受け、県教委文化課が一週間の緊急発掘調査を行いました。検出された遺構は弥生時代中期初頭に地下に作られた穴蔵(あなぐら)である貯蔵穴(ちょぞうけつ)11基、古墳1基などがあります。3号貯蔵穴はゴミ捨て場(小貝塚)として再利用されており、シカ・イノシシ・タヌキなど獣の骨や日本型(ジャポニカ種)の稲モミ・貝殻などがあり、当時の食生活を知ることができます。貝殻にはシジミ・カワニナなど淡水産だけでなく、内湾に産するザルガイ・ハマグリ、岩礁産のアワビ・サザエがあり、神湊や鐘崎など海浜部との交流がうかがえる数少ない調査例となりました。また、古墳の石室から14世紀の景徳鎮で焼かれた白磁、枢府碗(すふわん)が出土しており、これも珍しいものです。

『石丸遺跡』宗像町文化財調査報告書第4集(717 KB)
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