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1984年(昭和59年)宗像市文化財調査報告書 第7集/『埋蔵文化財発掘調査概報-1983年度-』/1.野坂中山遺跡/2.曲香畑遺跡/3.用山堂ノ上遺跡/4.朝町妙見遺跡/5.武丸大上げ遺跡
昭和58年度に発掘調査を行った5つの遺跡についての概要報告です。野坂中山遺跡(のさかなかやまいせき)は中世(鎌倉時代頃)の集落遺跡です。中国から輸入された青磁や白磁が多く見られることが特徴です。なかでも白磁双耳小壺(はくじそうじこつぼ)は唐草や蓮弁の華麗な模様が施され、高さ6.3cmとかわいらしい優品です。福建省の元代(14世紀)の製品と考えられます。曲香畑遺跡(まがりこうばたけいせき)は弥生時代前期の貯蔵穴(ちょぞうけつ・地下式の穴蔵)47基が調査され、関門地域と福岡平野の両地域の特徴をあわせ持つ土器が見つかりました。用山堂ノ上遺跡(もちやまどうのうえいせき)は土壙墓(どこうぼ・素掘りの墓)や柱穴(ちゅうけつ)が見つかっています。朝町妙見遺跡(あさまちみょうけんいせき)は4基の古墳時代前期から中期にかけての円墳が調査されました。前期にさかのぼる1号墳は割竹木棺を粘土槨(ねんどかく)におさめています。武丸大上げ遺跡(たけまるおおあげいせき)は8世紀後半から9世紀前半の大形掘立柱(ほったてばしら)建物や瓦が見つかっています。古代の駅(馬を乗り継ぐ役所的な施設)跡という説もある重要遺跡です。
『埋蔵文化財発掘調査概報-1983年度-』宗像市文化財調査報告書 第7集(2 MB)